金の卵を生むエトピリカ
知床のまだ誰も行ったことのない海岸の崖で、村の男チケドがエトピリカの金の卵をみつけました。
それを持ち帰ったチケドは、村一番の金持ちになったんだと。
それだけでも幸せなはずなのに、しばらくするとチケドは、蝦夷地一番の大金持ちなりたいと思いました。
金の卵を生むエトピリカだから、お腹の中も金張りにちがいないと想像したチケドは、エトピリカをつかまえ、高価な金を一度に全部手に入れることを思いつきました。
けれども、エトピリカのお腹を開けてみると、他のエトピリカとなんの変わりもなかったんだと。
欲張りナチケドは、金を手にすることも、また、毎年うまれる金の卵をとることもできなきなったんだと。