欲張りのトド

欲張りのトドる

オホ−ツクの荒海に、えさをさがしにきていたトドが、昼寝をしていたオロロン鳥を見つけ、つかまえようとしたとき、目の前をオオハクチョウが通り過ぎました。

「おっ、あっちの方がうまそでないかい」

欲張りなトドは身をひるがえし、オオハクチョウを追いかけました。

でも大きな翼のオオハクチョウは、のろまなトドにつかまるわけがありません。

「うまくいかなかったけど、まぁ、いか、ねくさってるオロロン鳥にすべ」

トドは、オロロン鳥のいた場所に戻りましたが、オロロン鳥も、とっくに飛び去ったあとでした。

トドは思いました。

「俺は、欲たかりだから、もともこもなくするんだべかな」

その時、オロロン鳥が空でなきました。「アホ− アホ−」