コタンクルカムイとカメ
蝦夷地の神コタンクルカムイが、めでたく結婚することとなり、動物達を招き祝宴を開くことにしました。
動物達はみんな喜んでやってきましたが、カメだけはきませんでした。
それから何日かたったある日、コタンクルカムイはカメの姿を見かけたので、なぜ祝宴にこなかったのかと聞きました。
「いやーなんもかんもないのさ。たんだ外出するのがせわしなぐてね、家にいる方が、なんぼかあずましいから」とカメは面倒くさそうに答えました。
コタンクルカムイは、カメの返事にたいそう腹を立てました。
それでカメはいつも家を背負わせ、自分の家から離れらなくしてしまいました。
けれどそれから数百年後、マイホームを持っているカメは動物達からみんなから羨ましがられているんだと。