ヒグマとナキウサギ
ねぐらでぐっすり寝ていたヒグマの頭の上を、ナキウサギが駆け抜けていきました。
目をさまし怒ったヒグマは、ナキウサギをつかまえてひねりつぶそうとしたので、ふるえあがったナキウサギは、
「どうか、見逃してくれないべか、したら親切は絶対わすれないから、きっと恩返しすっから」
と必死に頼みました。そこでヒグマは気前よくナキウサギを放してやりました。
それから何日かたったある日、狩人がしかけた罠にヒグマが捕まってしまいました。
怒りくるったヒグマの声をナキウサギが聞きつけ、鋭い前歯で縄をかじり、ヒグマを救いだしました。
「約束ちゃんと守るっていったしょ。こったらチャンコクても役に立つ事があんだから」