コノハズクとエゾオコジョ
阿寒湖の夜の森で、エゾオコジョが餌をさがしていると、白樺の木の枝にコノハズクがチ−ズをくわえてとまっていました。
それを見つけたエゾオコジョは、なんとかチ−ズをせしめる方法はないものかと考えました。
エゾオコジョは木の下にいくと、上を見上げてコノハズクに話しかけました。
「い−やいやいやいや、たいして立派な鳥でないかい。その羽の色だってやたら綺麗でないかい。それに、声だっていがったらなんもいうことないべさ」
コノハズクはそれを聞いてうれしくなり、自慢ののどをエゾオコジョに聞かせてやろうとひと声鳴きました。もちろんチ−ズは地面に落ちてしまいました。
落ちたチ−ズの前でエゾオコジョはコノハズクを見上げて言いました。
「い−やいやいや、いい声だべさ。したけどあんたちょぴっと知恵がたりないんでないかい」
そう言うとエゾオコジョはチ−ズをくわえて走りさっていきました。