毛ガニの親子
羅臼の浜で、母毛ガニと子毛ガニが散歩をしていました。
子毛ガニの歩き方を見ていた母毛ガニがいいました。
「おまえさ、どしてそったらふうに横向いて歩くんだべね。まっすぐ前むいて歩かなかったら、わるい癖つくしょ」
子毛ガニはキュトンとした顔をして、こう答えました。
「したら母さん、やってみせてくれればいしょ。真似すっからさ」
母毛ガニは何回も歩いてみましたがうまくいきませんでした。
夕日がしずむまで歩き続けた母毛ガニは、ついに泡を吹いて倒れてしまいました。
それから毛ガニたちは、泡を吹くようになったんだと。