エゾリスと鈴

エゾリスと鈴

昔ある森で、エゾリス達がキタキツネから身を守るよい方法はないかと会議を開きました。

たくさんの意見が出たあとで、一番物知りなエゾリスが、

「なまらいい案あるけど」

といって立ち上がりました。

「なんも簡単なことさ、キタキツネの首に鈴さ付ければいっしょ。ヤツが近づいてきたら鈴なっからさ、したら俺達、用心したらいいべさ」

これはいい方法だと皆、大賛成しました。

しかし、1匹の年老いたエゾリスがみんなを見まわして言いました。

「あの、しんけたかりでなまずるいキタキツネに、誰が鈴つけるんだべ」